生物の成り立ち その3 - ポリペプチドからタンパク質へ

こんにちは、らいおんです。
医療用医薬品の研究開発について幅広く語っていきたいと思います。

生物の成り立ち その1 - DNAからRNAへ】、【生物の成り立ち その2 - RNAからアミノ酸、そしてポリペプチドへ】でDNA→RNA→アミノ酸・ポリペプチドの流れを話しました。
今回は、ただアミノ酸がつながっただけのポリペプチドが、どうやって複雑な構造を持つタンパク質になるのかを簡単にお話ししたいと思います。

タンパク質はアミノ酸が鎖状に結合してできた高分子化合物ですが、アミノ酸が結合しただけではその機能は発揮できません。
それぞれのアミノ酸自体の立体構造などから基本的な構造が作られます。立体構造上近くに存在するようになったアミノ酸の間に、水素結合、イオン結合、ジスルフィド結合などが生じて、立体構造が安定化されます。
また、リン酸化、グリコシル化、アセチル化、メチル化、脂質化などの翻訳後修飾も起こります。これらの修飾は、もちろんタンパク質の機能にとって重要なものですが、抗体などのバイオ医薬品を製造する上でも存在感を放つものです。翻訳後修飾がバイオ医薬品でどのように重要かについては、バイオ医薬品の開発過程の話の中で触れていきたいと思います。
立体構造や修飾に加えて、タンパク質同士が結合したりすることにより、多くの機能が発揮できるようになります。

このようにして合成されたタンパク質は、それぞれ特有の機能を持っています。
たった一つのタンパク質が何らかの理由で機能しなくなったり、機能が変化してしまったりすることによって病気になることも少なくありません。
そのような時に、その原因となるタンパク質特異的に働きかけることを目標として作られた薬を「分子標的薬」といいます。

いよいよ、次は薬作りの始まりのポイント、創薬研究について話を始めたいと思います。

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