こんにちは、らいおんです。
医療用医薬品の研究開発について幅広く語っていきたいと思います。
前回まで、DNA、RNA、アミノ酸、タンパク質の基本的なことについて、簡単な説明をしました。
今回は、薬を作ろうと考えるときに何を標的とするのか?ということについて話を始めたいと思います。
ヒトゲノム計画により2003年にヒトの遺伝子の全塩基配列が解明されました。
全塩基配列が解明されたことにより、病気に大きく関係している特定のタンパク質である「酵素」や「受容体」などを標的とした「分子標的薬」がたくさん作られるようになりました。
現在では主流となっている分子標的薬ですが、どうやってその標的を選ぶのでしょうか?
そう、この標的選びこそが、創薬の成否を決める鍵の一つです。
基本的な考え方としては、とある病態と健常状態を比較して、その分子的な差を見つけることです。
つまり、間違い探しみたいなものです。
治したいと思う病気について調べて、その病気の原因となる部分での間違い探しをすることで、薬の標的が見つかる可能性があります。
見つかった標的が、治したいと思う病気の原因として、分子的に特異的であることが重要です。標的が非特異的であると、治したいと思う病気の原因以外に対しても働きかけることになり、望まない反応(副作用)を生むことにつながるからです。
薬剤標的の選び方、まだまだ続きます!